
桜の森の満開の下/坂口安吾
(Amazon)
坂口安吾の短編小説「桜の森の満開の下」を読みました。
「夜長姫と耳男」を読んでから、ちょっと、ハマってます。坂口安吾。
「桜の森の満開の下」、Amazonの内容紹介ではこんな風に書かれてます。
昭和初期に活躍した「無頼派」の代表的作家である坂口安吾の小説。初出は「肉体」[1947(昭和22)年]。通る人々が皆「気が変になる」鈴鹿峠の桜の森。その秘密を探ろうとする荒ぶる山賊は、ある日美しい女と出会い無理やり妻とする。しかし、それが恐ろしくも哀しい顛末の始まりだった。奥野建男から「生涯に数少なくしか創造し得ぬ作品の一つ」と激賞された、安吾の代表的小説作品。
うーむ。
なんとなく、違和感を感じるような内容紹介。
それはともかく。
これまた面白い小説でした。
なんというか、この時代の小説、ま、昔の小説って読みづらいって印象があってなかなか手に取ることがなかったんですが、坂口安吾は読みやすいです。
でもって。
とにかく、斬新。なような気がします。
ストーリーにわくわくするようなところがあるかといえば、そうじゃないかも、です。
だがしかし。
題材も、展開も、斬新なような気がするんだなー。
いや、斬新かどうかはともかく、とにかく読んでて面白い。
「桜の森の満開の下」ってタイトルから、ちょっとロマンチックというか、そんな勘違いをしてもおかしくないような。
ところが、とんでもない。
恐ろしいというか、怖い。
桜のもつイメージ。
確かに、この小説が描くような感覚もあるかも。
でも、なかなかここまで徹底して書けないんじゃないかなーって気がします。
なんというか、ぶっ飛んでる。
イカれてます。
そこが、いい。
本来、小説ってこういう破壊力を持ってるんじゃないかなーって思いがよみがえるような。
抽象的なことばかり書いてますが、短編だし、すぐに読めます。
「夜長姫と耳男」もよかったけど、これもまたいいなー。
オススメ。